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2017年8月17日の大崎裕史の今日の一杯

東京都港区内幸町

盆休みに内幸町で麻雀大会をやっていた。割りと強い方なのだが、この日はどうにも調子が出ない。それどころか、負け続き。そこでちょっと中抜けをして、すぐ近くのこの店へ。ここは豚骨の名店「田中商店」店主が始めたネクストブランドで「つし馬」(浅草)に続いてまずは「田中商店」の近くに出店し、その後秋葉原(末広町)、仙台に出店し、今年の7月に新橋(内幸町/虎ノ門)にも出店。このブランドでは白濁豚骨ではなく、喜多方風のラーメンと山形の辛味噌ラーメンを提供している。コンセプトは「気軽に食べる田舎のラーメン」だ。
中華そばは、喜多方の坂内インスパイア的で、豚骨を濁らせないように炊き出し、ほぼ塩味でまとめあげている。薄い醤油ラーメン風でもある。一方、味噌ラーメンは龍上海インスパイア。薄味の味噌味に青海苔と辛味噌が特徴。
そして今回紹介するのは、夏も後半になってきたが夏限定メニューの「冷かけ中華そば」850円である。「いしやま」の時にも書いたが、私は子供の頃から「冷たいラーメン」を食べて育ってきた。ところが東京に出てきても夏は冷やし中華ばかりで「冷たいラーメン」が無かった。最近でこそ、多種多様な夏限定の「冷たいラーメン」が出てきたが、この店の「冷かけ中華そば」こそが私が少年時代に食べていたものに近い。パッと見、ラーメンとなんら変わらない。しかし、ちゃんと冷たいスープのラーメンなのだ。つい習慣で「ふぅ〜ふぅ〜」して食べてしまいそうになる。脂分を排除して、透明感のあるスープながら出汁は効いている。そこに平打ちの縮れ麺がうまい。そして何より、チャーシューがうまいので、追加トッピング(1枚50円で4枚)をした。写真にはのってない。お店の人が気を利かして「チャーシューをさらに入れてしまうとなんなので別皿にしました」と。ありがたい、そして嬉しい。このチャーシューの旨さもさることながら葱が意外といい仕事をしている。実にうまい、そしてなんだか懐かしかった。おそらく、他の「田中そば店」でも出してると思うのでこの夏の間に食べてみて欲しい。
この一杯に元気とパワーをもらえて、この後の麻雀は大勝ちした。(実話)ただし、食べる前が大負けだったのでトータルではちょっとだけプラス。

お店データ

田中そば店 新橋店

東京都港区西新橋1-18-10 佐々木ビル1F(内幸町)
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。